がん免疫治療:NKT細胞標的治療

NKT細胞標的治療について

がんに対する標準的治療法には、根治を⽬的にした摘出⼿術、抗がん剤による化学療法、放射線療法があり、がんの部位と種類、進⾏度、転移の有無などを検討し、各治療法が検討・実施されます。しかし、最近第4の選択肢として、免疫療法が注⽬されるようになってきました。

免疫療法は、本来からだが持っているがん細胞を殺し除去しようとする免疫の働きを利⽤して、がんを治療する試みです。免疫は感染症やがんから体を守る能⼒のことです。

このような免疫療法には、ワクチン療法、サイトカイン療法、抗体療法、樹状細胞療法、活性化リンパ球療法など多くのものが知られていますが、これらの治療法の中で、最も新しく発⾒されたがん免疫療法が、NKT細胞標的治療であります。NKT細胞標的治療は、⾃⾝のリンパ球を刺激して⽤いる活性化リンパ球療法の⼀つです。

NKT細胞は、NK細胞、T細胞、B細胞などの免疫細胞に対して、最も新しく発⾒された免疫細胞です。NKT細胞は、NK細胞とT細胞の特徴を併せ持ち、極めて強い抗がん効果を持っています。

◆ NKT細胞標的治療のポイント
1. 事前の⼿術で腫瘍サンプルを取る必要がありません。
2. ほとんどの種類の腫瘍を対象として治療できます。
3. NKT細胞は放射線に強いため、放射線治療をしている場合でも有効に作⽤します。
4. ⽇帰りの通院で治療が実施可能です。
5. 皮下注射で治療が可能です。
6. 初回接種から早期に体調改善が得られる場合が多くみられます。
7. 臨床試験によって、効果を⽰す科学的な結果が得られています。
8. 培養した細胞は、凍結保存が可能です。
9. 凍結保存することにより、投与スケジュールを都合に合わせ調節することも可能です。

◆NKT細胞(ナチュラルキラーT細胞)とは
T細胞、B細胞、NK細胞に続く第4のリンパ球です。
これまでがんに作⽤する免疫系として、NK細胞やT細胞が知られ、これらをターゲットにした免疫療法が⾏われています。
NKT細胞は、NK細胞とT細胞の特徴を併せ持つ性質があることから、この名前が得られました。強⼒な免疫反応増強作⽤を有し、がん細胞を直接的に殺す働きとIFN-γ産⽣により、免疫系を活性化することにより、間接的にも抗腫瘍効果を発揮します。

・1986年 NKT細胞が発⾒される
・1997年 NKT細胞リガンド糖脂質(免疫機能活性物質)が発⾒される
・2000年 NKT細胞によるアジュバント作⽤が発⾒される(下図)

◆NKT細胞標的治療の利点
1. ⾃然免疫系*1と獲得免疫系*2を同時に活性化することにより、常に存在する2種類の「がん細胞」、つまり①「MHC*3クラス1を発現しているがん細胞」、②「MHCの発現していないがん細胞」を同時に攻撃できます。
2. したがって、ほぼ全ての患者様、ほぼ全てのがんに対して治療可能です。
3. 患者様⾃⾝の体内に存在する免疫細胞を活性化するので、副作⽤がほとんどない。

*1:細菌やウィルスなど病原体が体内に侵⼊した際、最初に対応する防衛機構です。好中球、マクロファージ、樹状細胞、NK細胞、NKT細胞が免疫担当細胞として活躍します。
*2:感染した病原体を特異的に⾒分け、それを記憶することで、同じ病原体に出会った時に効果的に病原体を排除できる仕組みです。T細胞やB細胞が免疫担当細胞として活躍します。
*3:MHC:Major Histocompatibility complex(主要組織適合抗原遺伝⼦複合体)免疫反応において、⾃分と他⼈の識別に関与する遺伝⼦群です。

◆ 治療対象
1. 悪性腫瘍患者、および医師の判断により免疫機能改善を必要とする方
2. 性別:問いません
3. 年齢:16歳以上
4. 同意:ご本人もしくは代諾者の文書による同意
5. 除外疾患:既往歴、診察、検査等により判断
白血病、悪性リンパ腫(Tリンパ球型またはNK細胞型)、重度の自己免疫性疾患、活動性気管支喘息、細菌感染症など

◆NKT細胞標的治療の技術的背景
NKT細胞標的治療は厚生労働省の認可に基づき行われる再生医療です。当院では理化学研究所認定ベンチャーの株式会社理研免疫再生医学が開発した「RIKNKT」により治療を行なっています。

◆NKT細胞標的治療の費用
治療総額は、3,525,500円(税込:消費税10%を含む)となります。この金額には当院での検査・成分採血・治療費・血液運搬費など他、株式会社理研免疫再生医学の「RIKNKT」技術提供料、提携医療機関での細胞培養費も全て含まれます。検査の日程により血液運搬費の休日加算など追加費用がかかる場合があります。

本治療は保険診療の適応外ですので全額自費負担となります。病状により追加血液検査や画像検査が必要な場合には追加費用がかかる場合がございます。その他、費用の詳細につきましては当院までお問い合わせください。

◆NKT細胞標的治療の流れ
お問い合わせ(お電話・E-mail)→ 当院にて面談 → 治療前血液検査 → 成分採血 →  血液を契約培養施設に搬送 →  培養施設より当院へ治療薬を搬送 → 当院にて注射治療(2週間ごとに約4回) → 治療後血液検査

◆NKT細胞標的治療の副作用について

<成分採血(アフェレーシス)に伴う副作用>
・ルート確保に関すること
通常、腕静脈に確保しますが、両腕に十分な血管がなく、大腿静脈にルートを確保する場合、稀に感染や出血の合併の可能性がありますが、消毒を十分行い、習熟した医師が行います。また救急カート等の設備を整えて、出血の対応を致します。
・迷走神経反射
精神的な緊張、不安、体調不良等の原因により血管迷走神経反射が起こり、約10%の方でめまい、吐き気、嘔吐が出現し、場合によっては意識障害、血圧低下、徐脈、さらに痙攣や失禁がみられることもあります。このような場合には採取を一時休止もしくは中止し、適切な処置を施します。
・クエン酸反応
成分採血は血液が固まらないように抗凝固剤を加えながら採血します。抗凝固剤に含まれるクエン酸により低カルシウム血症をきたすことがあります。軽い症状では口唇や手指のしびれ感が出現し、進行により手指のつっぱり感が出現します。軽い症状の場合には採取速度を下げることで改善しますが、改善がみられない場合には薬剤を使用します。
・血小板減少
アフェレーシスの際に血小板も一部除去されるため、アフェレーシス後に血小板の減少が高頻度にみられます。

<治療に伴う副作用>
・本治療はご自身の血液細胞を用いた治療のため、特に強い副作用を認めることはありません。治療薬の接種は皮下注射で行いますが、接種部位が1〜2日間赤く腫れる場合がありますが、その頻度も少なくすぐに治り特に治療が必要なことはありません。

前出の治療対象の除外疾患に記載されていますように、自己免疫疾患もしくは免疫異常によると考えられる疾患がある方、副腎皮質ステロイドによる治療を受けている方は、NKT細胞標的治療により悪化する可能性がありますので、必ずご相談ください。

その他、お問い合わせは、お電話もしくはE-mail [ info@ts-clinic.jp ]までお願いいたします。

RIKNKT チラシ2020_東京シーサイドクリニック
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