良くあるご質問

Q1 心臓病や動脈硬化性疾患にはどのようなものがあるでしょうか?


心臓病には虚血性疾患、心筋症、弁膜症などいろいろなものがありますが、中でも狭心症や心筋梗塞などの虚血性疾患は主に心臓を養う冠動脈の動脈硬化が原因で発症し、生命予後の悪い疾患です。同じように頸動脈や脳動脈の動脈硬化から脳梗塞が、四肢の動脈硬化から閉塞性動脈硬化症が発症します。
心臓病と脳卒中(塞栓や出血)を併せるとがんを凌ぐ勢いで増えており、生活習慣の変化と共に増加し、若年化する傾向にあります。


Q2 動脈硬化はどの段階で見つけるのがよいのでしょうか?


動脈硬化に伴い血管が完全に詰まると脳や心臓の塞栓を起こしますが、詰まる直前の状態は90〜95%塞栓狭窄といった高度の病変でなく、50%狭窄以下の軽度〜中度の狭窄であることが分かってきました。これは血管壁に蓄積した柔らかい脂質が溶けて血中に流れ出て血栓を形成するためです。したがって塞栓予防の観点からすれば、カテーテルやマルチスライスCTなどで指摘されるような詰まり具合(狭窄度)の意味は乏しいのです。塞栓を予防したければ早い段階で動脈硬化を見つけ、予防を開始するしかありません。


Q3 動脈硬化は詰まり具合(狭窄度)が強いほど危険ということでしょうか?


心臓の場合、冠動脈の詰まり具合が75%以上を超えてから胸痛を認めるようになります(狭心症)。しかしQ2に書いたように心筋梗塞はむしろ50%以下から発症するのです。すなわち危険な動脈硬化は詰まり具合が進む前に破裂して塞栓を起こしてしまうと考えられます。
こうしたものを不安定な動脈硬化と言います。したがって、もしあなたがカテーテルやマルチスライスCTにて冠動脈の詰まり具合が強いから心筋梗塞を起こす危険性が高いと考えたとしたら、それは大きな間違いです。


Q4 では冠動脈に75%以上の強い詰まりが見つかってもカテーテルによるステント治療やバイパス手術による外科的な治療は必要ないのでしょうか?


そうとは言えません。体を動かした時など動きが高まるときには冠動脈の血流も増えますが、そこに強い詰まりがあると血流が増えず、心臓自体が酸欠状態になります。これが虚血です。生活の質(Quality of Life)の向上のためにはカテーテルや手術による外科的治療が必要です。また糖尿病を合併していると虚血になっても胸痛が生じないことがありますが、心臓には無理がかかっていますのでやはり外科的治療が必要です。
もし、日常生活で心電図上明らかに虚血を生じなく、胸痛も認めないのであれば、見かけの詰まりが強くてもカテーテルや外科的治療は必須ではありません。もっとも重要なこととして、今までの多くの研究がカテーテルや外科的治療を受けても生命予後は改善しないと報告していることをよく覚えておいてください。


Q5 冠動脈の詰まりが50%程度ですが、将来梗塞を起こさないようにとカテーテルによるステント治療を進められました。本当に必要でしょうか?


必要ありません。前の質問にも書いたように、梗塞を起こすかどうかは動脈硬化の不安定さに依ります。安定化はカテーテル治療をしても得られません。かえって心筋梗塞を引き起こすなどのトラブルを生じることもあります。安定化が最も期待できるのは徹底した生活習慣病改善と薬物治療の組み合わせです。


Q6 マルチスライスCTやMRIを用いた冠動脈造影が簡単にできると聞きました。カテーテルの代わりになる検査なのでしょうか?


最近のマルチスライスCTは64列が多くなり、320列も発売されました。以前の平面的な画像だけでなく細やかな立体画像(3次元画像)が作成できるようになりました。
外来で検査でき、時間も短く済むため、最近では胸痛の原因検査目的のカテーテル検査やカテーテル治療後の経過観察目的に使う病院も増えてきました。
マルチスライスCTは放射線の被曝が多く、造影剤の使用量も多いため腎臓への負担も大きいのでやみくもに行うべきではありません。しかしカテーテルより安全性の高い検査ですから、狭心症の可能性は低そうだが検査で否定しなければならない場合や、ステント留置などカテーテル治療後の経過観察など、造影検査が避けられない場面に於いては有用な検査方法となります。ただし最近、マルチスライスCTによる冠動脈造影はカテーテルによる冠動脈造影に代わる役割を果たせないとした論文も報告されています。
石灰化があると評価が出来ないことがあり、詰まり具合も実際より強く判定してしまうことが多い検査です。(CTで異常所見がなければほぼ冠動脈病変はないと言える)が、CTで以上が疑われた場合、冠動脈病変があると言える陽性予測値は高くないと言うことです。
冠動脈が明瞭に抽出できるMRIの機種はごく一部に限られます。画像の解像度はCTに劣り、検査時間も長くかかりますが、放射線の被曝がないという利点があります。まだ検査手法としての普及に乏しいので検査の精度についてCTのような報告はありません。

Q7 マルチスライスCTやMRIを用いた冠動脈造影を行う人間ドックを見かけるようになりました。その診断価値はどうなのでしょうか?


見た目に説得力のある立体画像が短時間で得られるため、特に64列マルチスライスCTを用いた冠動脈造影を行う心臓ドックを行うクリニックや病院が増えているようです。しかしCTによる冠動脈造影は検診に適した検査とは言えません。
その理由は放射線被曝がきわめて多く、造影剤を多く使うため腎機能障害を引き起こしやすいということが上げられます。検診は1〜2年毎に何度も受けるものですから、被曝量や造影剤の影響も蓄積され、発がんリスク上昇や腎機能増加の原因となるのです。
こうした理由から最近の権威ある医学誌にも造影CTは冠動脈疾患のスクリーニング(検診)には用いるべきではないとの報告があります。こういううリスクは了解のうえ受けたとしても、検査結果の判定についてはQ6の答えにあるように、異常が無ければ冠動脈硬化の可能性は少ないと言えますが、異常が疑われる場合の確からしさには高くなく、結局はカテーテル検査をせざるを得なくなります。
MRIはCTより画質が落ちるうえ、検査精度にちてはまだまとまったものはありません。将来的には期待できる技術に成長する可能性がありますが、体内に金属やペースメーカーがある方には検査できず、また造影剤の副作用も問題となっています。


Q8 なぜ心臓PET検査を行っているのでしょうか?マルチスライスCTやMRIとの違いは何でしょうか?


PETはがん検査で有名になりましたが、心臓や脳での研究は古く30年近くの歴史があります。がんPETとは違いN-13アンモニアやルビジウム-82という検査薬を使い心筋血流を評価することで冠動脈の異常を評価します。
PETは一般に普及しているシンチグラムと同じ核医学検査のひとつです。核医学検査というと放射線被曝量が多いという印象を与えますが、PETによる被曝は胃のバリウム検査程度であり、造影CT検査の訳5分の1です。毎年受けても問題はありませんし、検査薬は造影剤のように腎機能の悪化をもたらすということもありません。また体内に金属があっても検査が出来ます。
肝心の診断能力ですが、心筋血流PETでは75%以上のつまりがあれば95〜100%の診断精度で異常を抽出しますし、50%やそれ以下でもしばしば異常が見つかります。
この検査は冠動脈を流れ心筋にたどり着いた血液量を評価する検査なので、つまり具合が軽くてもそれが長く連続した動脈硬化であれば徐々に血流低下して異常が検出できるのです。また強う詰まりがあっても回り道の血管が発達し十分な血流が確保されている場合には逆にPETでは異常が出ません。PETは「虚血」そのものを見ているのです、


Q9 心臓PET検査(心筋血流)はドックの必須項目でしょうか?


確かに全員が受ければ見落としは少ないかもしれません。しかし不必要な人が受けることにもなってしまします。例えば動脈硬化のリスクの少ない中年以前の女性では受ける必要はないと思われます。そこで当クリニックでは頸動脈エコー、血管内皮機能検査、脈波、眼底など比較的簡単に全身の動脈硬化の状態を把握できる検査と特殊な血液検査を基本コースとし、ここで動脈硬化所見が強い場合には心臓PET検査もお勧めするようにしています。
この基本コースは冠動脈病変を予測する上で完全とは言えませんが、少なくとも単純な腹囲計測やコレステロール値よりは遙かに効率的なスクリーニングを言えます。


Q10 心臓PET検査(心筋血流)はどこでも受けられますか?


心臓PET検査を行っている施設はごく僅かで、そのほとんどは研究用に行っているだけです。希望する方が自由に受けられる施設は当クリニック以外にはほとんどないと思います。
心臓専用の検査機器の設定が必要ですし、単に画像を見て判断するだけではありませんので、経験豊富な医師でないと正確な診断はできません。単に画像を見て判断するだけではあっりませんので、経験豊富な医師でないと正確な診断はできません。当クリニックでは20年近い心臓PET研究と1000件以上の心臓PET検診の経験を持つ院長が自ら検査を行います。
さらに留学時の恩師で、この領域の第一人者であるテキサス大学のグールド教授と現在も技術提携していますので、最先端の診断が提供できます。


Q11 心臓PET検査で異常が見つかった場合はどうしたらよいでしょうか?


当クリニックでは時間をかけて面談で検査結果と今後の治療について丁寧にご説明します。必ず必要となることはまず食事や喫煙など今までの生活習慣を見直し改善すること、次に必要な薬を飲み始め徹底的な体質改善をすることです。
これにより多くの動脈硬化は改善し、縮小し、心筋の血流は改善します。すなわち心筋梗塞が起こりにくくなります。このように治療を何年も続けていく訳ですが、治療が成功しているかはやはり心臓PET検査で心筋血流が改善しているかどうかで判断することになります。
院長が参加したテキサス大学での研究では、心臓PETで心筋血流が改善した人は、しなかった人に比べ、その後の心臓発作はきわめて少なく、生命予後も良いことが確認されています。このように心臓CTやMRIが治療評価判定における有用性を報告した研究は今のところ見当たりません。


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